絵画教室に通い始め、これまでリンゴ、石、パプリカとデッサンをしてきました。
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苦節3ヶ月(そんなに長くない)、このたび「透明水彩絵の具を使っていいよ」とお許しが出ました!
鉛筆だけで色や明度の違いをどうやって表現すればいいんじゃ~!と苦労しておりましたが、色を使っていいんですって! 色!
初めての透明水彩は、2回にわたってリンゴを描くことになりました。「リンゴ再び」です。
色を使っていいなら赤だろうが黄色だろうが思うがままよ、フフン、と思ったのですが、はたしてそう上手く行きますか(笑)
1日目
不透明水彩と透明水彩絵の具
学校の美術の授業以外で絵を習った事がない私。水彩絵の具にも種類があるとは知りませんでした。
不透明水彩絵の具
子供の頃、学校の授業用に絵の具セットを持っていましたよね。あの絵の具が不透明な水彩絵の具(グアッシュやガッシュなどと呼ばれる)です。
特徴
- 不透明なので、重ね塗りをすると下の色は見えなくなる(色紙のイメージ)
- 明るい色を作るときは白を混ぜる
透明水彩絵の具
特徴
- 重ね塗りをしても下の色が透けて見える(セロハンのイメージ)
- 明るい色を作るときは、絵の具に水を多めに混ぜる(白絵の具を混ぜると不透明になってしまう)
- 紙の上で色を重ねて塗ることで混色ができる
主な違いはこんなところでしょうか。
それから透明水彩で塗っていると、水分で紙がベコベコになってきます。そのままでは支障が出るので、ドライヤーで温風をあてて紙が乾いたら次を塗る、ベコベコになったらまたドライヤー、の繰り返しでした。
教室でドライヤーを見かけて何だろうと思っていたのですが、こういう事かぁ・・・と(笑)
使用した透明水彩絵の具
サクラクレパス
入会したとき、透明水彩絵の具を持ってくるように言われました。特に指定がなく、どのくらい続くかもわからなかったので、取りあえず一番安い『サクラクレパス』にしました。
先生いわく、「どうせ後からいろいろ買い足すことになるし、最初は安いので正解だよ」だそうです。でも先生について習う場合は、聞いてみるのが一番確かですね。
ホルベイン
有名ブランドですね。先生に言われて、後から6色買い足しましたが、すべてホルベインの絵の具です。
ホルベインのものを買っておけば間違いないでしょうね。
水張り
透明水彩絵の具で描く場合、紙を木製のパネルに水張りします。紙をパネルにピーンと張った状態で固定する事で、紙が水分でよれるのを防ぎます。
こうしておかないと、描き終わった後に紙がヨレヨレ、ベコベコになって絵が台無しになってしまうんですって。
私は水張りも初めて。今回は先生がやってくれました。
- パネルより大きな紙を用意
- 刷毛で紙の裏面に水を塗り、水を塗った面を下にしてパネルの上に置く
- パネルからはみ出た紙の端を折って、やはり刷毛で水を塗ったテープでパネルと紙を接着させる
あっという間に、ビューティホーな水彩用パネルの出来上がり!
さすがに先生は手際よく仕上げてくれましたが、いずれ私がやるんですよね。自慢じゃないけど不器用な私。できるか心配だ・・・
下書き
準備が出来たら鉛筆で下書きをします。鉛筆だけで仕上げたデッサンのときと違って、ざっと輪郭を取るだけでOK。
リンゴの大体の輪郭を描いて先生に見せたら、「まぁ、精度はやっていくうちに上がっていくだろうから、今回はこれで色を塗っていきましょう」と言われました。
それって、暗に正確じゃないって言われてるよね^^;
きっと、やっていくうちに精度も上がるよね? うん、きっとそうだ!(闇雲なポジティブ)
色を塗る
さて、いよいよ色を塗っていきます。先生には次のようなことを言われました。
- リンゴが若い状態の色(黄色や黄緑)から塗っていって、濃い色(赤やオペラピンクなど)は後から塗る
- 最初は自分の使いたい色、感性で色をのせる → 最終的に実物に似せる
- 塗りつぶさずに、筆の跡を残すような感じで塗る
そんなことを言われてもポカ~ンです。まずは先生がお手本を見せてくれました。
ちょっと私の手も入っていますが、こんな感じ。
目の前にあるのは普通の赤いリンゴなのに、どうしてこうなるの? なんで青系の色とか入っているの?? もう「?」だらけです。
ネットや本で見る透明水彩画はこんな感じではなくて、リンゴは赤、海は青という風に普通にわかりやすい。
筆跡を残すというより、きれいに塗って水彩の特性を生かした「ぼかし」が絵を引き立てて・・・っていうイメージです。
それがしたくて始めたようなものなのに、どうしてこうなった?
何をしていいのかわからず、筆が止まったまま透明水彩の初日は終わりました。
2日目
基本を学ぶ
訳が分からないまま終わった透明水彩初日から2週間後、次の教室の日です。相変わらずどうしていいのかわからない私は、思うようにやってみようと決めました。
間違っていたら直してもらえばいい。このまま何もしなければ、わからない事さえ先生に伝わらない。
初心者なんだし、まずは間違えてみようと思いました。
私の目に映るリンゴは赤、私のイメージする水彩画ってこういう感じ、と思いながら色を塗りました。やがてやってきた先生が言いました。
「この間、筆跡を残すような感じで色を塗ったのに、筆跡が消えちゃったね」
(ほぼ全面を赤系で塗ってあった)
自分で筆を取って直し始めた先生に、ここぞとばかり質問です。
私「筆跡を残す塗り方って今まで見た水彩画と違うんですが、全部バァーッと塗ったり、ぼかしたりしないんですか?」
先生「作品ならそういう塗り方もするけど、今は練習だからね。デッサンと同じ、まずは筆跡を残す塗り方で基本を覚えてほしい」
さらにこう言いました。
先生「ぼかしって簡単なんだよ。だれでもすぐに出来る。作品なら自分の好きな表現でいいけど、今は基本を学ぶときだから、一つ一つ教わったとおりにやってみて」
先生が手直しをした絵
先生の言葉を聞いて思い当たることが。本やネットで説明している「水彩画の描き方」は、「作品」の描き方だということです。
初心者向けに水彩画の描き方を説明した本によくある手法で、綺麗な水彩画を見せて「これを描くにはこの絵の具を使って、こんな塗り方をします」という説明がついています。
本やネットは不特定多数の人が相手ですし、それぞれのレベルに合わせた細かな指導なんて無理です。だから完成系を見せて、真似る方法を教えるしかありません。
そういうものを見てきて、完成系のやり方を教えてもらおうという私に対して、先生が教えようとしているのは、将来自分の作品を創作するための土台となる知識、技術。
かみ合わなくて当然なんです。
出来上がり
先生が手直しをした後、今度は筆跡を残すように丁寧に、そして、ここはこうしたいという意志を込めて色を塗りました。
こうして、初めての透明水彩画が完成しました。
愛しい・・・(笑)
不思議な事に、最初はびっくりした青やグレーの暗い色が、少し離れてみるとすごく良いんです。何の変哲もない1つのリンゴの絵に、なんとも言えない微妙な深みを加えています。
複雑に絡み合った色が立体感を出し、表情豊かな絵にしているんですね。こんな色使いは自己流では絶対できませんでした。
初めての透明水彩~まとめ~
- 透明水彩と不透明水彩絵の具は別物
- 透明水彩は水張りが大事
- 水分で紙がよれたらドライヤーで乾かそう
- 筆跡を残すように塗る
- 自分の感性で様々な色を使ってみる。それが後の創作の土台になる
残念ながら、今回の絵には私の手はあまり入っていません。ほとんど先生の作品です。
でも出来上がりを見て、先生の言っていることが(超薄ぼんやりとですが)わかった気がします。
間違えてよかったと思いました。間違えたから教えてもらえるし、直してもらえる。
ネットや本ではない、せっかく対面で教えてもらえるのだから、先生を上手く使って(←オイ)いろいろな事を覚えていきたいと思います。
まだまだ難しいことばかりで、とても消化しきれないんですけどね~(笑)
それではまた!
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