こんにちは、優樹です。
始めたばかりの透明水彩。記念すべき第1回目はリンゴを描きました。
今回は「白い石と赤い毛糸玉」を描くことになりました。
モデルはこれ。
今までと一番違うのは、対象物が2つになったこと。そして、この2つがまったく違う質感ということ。
石と毛糸。かたや堅くて、かたやフワフワ・・・
さらに石が白! 白い紙に白い石ってどうするの??
最初に完成したものをお見せします。
これです!
白い石がどうしてこうなるの? 今回、一番苦労したのがここです。完成に至るまでに教わったこと、悩んだことを、順を追って書いていきますね。
よろしければお付き合いを。
配置には意味がある
今回は対象物が2つということで、その置き方にも意味があるということを教わりました。
絵には「玄関」と「勝手口」があるそうです。一般的に、対象物の左側と下を広く取り、右側と上を狭く取ります。
今回の絵ならこうなります。
対象物の左側(手前)が「玄関」、右側(奥)が「勝手口」だそうです。
(これって一般的な美術用語? それとも私の先生オリジナル?)
この配置をうまく使うことで、時間の経過も絵で表現することができます。
大変つたない絵で恐縮です^^;
まったく同じ2枚の絵ですが、上の絵は荷車を引く人を左に配置しています。右を広く取ることで時間の経過を表し、夕方の絵という印象を与えます。
下の絵は人を右に配置することでこれからの時間の長さを表し、朝の風景、これから仕事に向かう人の絵になります。
絵画というものは大体この法則に則って描かれているそうです。そういう事を知ると、絵を見る目が変わってきませんか?
やっぱりわからない色の使い方
初めて透明水彩を使った前回に引き続き、やっぱり悩んでいる色の使い方。今回も先生が悩ませて魅せてくれました。
下描き
色を塗るのでざっくり下描き。
いくらざっくりとは言え、ヘタだ・・・ 特に毛糸玉が「なんじゃ、こりゃ?」状態。
毛糸とはいえフワフワしてはいないので、本物の形に似せてほぼ直方体に描いたのですが、これでは何を描いたのかまったくわからない。ではどうすればよいのか、今回のレッスンで学ぶことになります。
筆が動かない
前回と同じく、まず先生が色を塗ってお手本を。
来たよ・・・、なんで赤い毛糸玉に黄色を塗るの? なんで白い石を綺麗なあじさい色に塗るの?
「最終的には白に見えるようになるから」って、意味わからん。
画像には私の手も少し入っていますが、こんな感じ。
たとえ白い物を描く場合でも、紙の色をそのまま残す事は基本的にないそうです。そうは言っても、白い石がどうしてこうなるんだろう・・・
創作する日のために
こんな疑問を抱えたままでは手も動かず、私とほぼ同時期に入ったSさんと「わかる? わからないよねぇ。難しいよ~」なんて話していると、先生が私達を呼びました。
先生に連れて行かれた先は、他の教室の生徒さんの絵が展示してある掲示板。先生は海の絵を指して
「この絵の波の部分には、幾つの色が使われている?」と聞きました。
Sさんと私「・・・青、水色、白・・・、3色?」
先生「うん、そんなもんだね。白と青系だけだよね?」
先生いわく、海を描けと言われたら、普通の人は青系だけで描いてしまうそうです。そうすると立体感がなく、薄っぺらな絵になってしまう。
私達にそうなってほしくないから、始めたばかりの今、様々な色の使い方を教え込んでいるのだそうです。
それが、やがて自分の作品を、頭の中のイメージを具現化して描くときに、表現の幅となって活きてくると。
初めて透明水彩でリンゴを描いたとき、最初は色の使い方にびっくりして右往左往するだけでした。でも出来上がったリンゴの絵は、色が複雑に絡み合って、不思議な存在感がありました。
というか、赤だけで描くより明らかに面白くないですか?
それを見ているだけに、先生の言っている事は理解できます。でも道は険しいですね。
今のところ、「白い石なんだけど・・・」と思いながら、先生の真似をして青や紫を紙の上に置くだけで精一杯です。
本物に似せると本物っぽく見えない
もう一つ教わったのがこれです。対象物を描くとき、あまり忠実に描くと本物っぽく見えなくなることが多いそうです。
本物には無いものを足す
よい題材となるのが、私が描いた毛糸玉の下絵。
本物の毛糸玉はあまりフワフワしていません。毛糸がきっちりとまとまっているため、背の低い筒のように見えます。
これに似せようと、私の下絵もほぼ真っ直ぐな線になっています。このまま色を塗ったら、何だかよくわからないモノになるでしょうね。
そこで先生は毛糸玉の周りに、フワフワした毛糸を描き足しました(実際には無いのに)。
余分なものを省く
毛糸玉を作っている毛糸を1本1本忠実に描いたら、多分、何か気持ちの悪いモノになると思います・・・
そこで本数はグッと省略して、でも毛糸ということがわかるようにフワフワ感を強調して描きました(先生が)。
こうして出来上がった毛糸玉。忠実に描くより、毛糸の柔らかな感じが伝わってきませんか?
おわりに:いずれは自分の作品を
いずれは、頭の中にある想像の世界を描きたい。そのためには、自分のイメージ通りに色を使いこなすことが必要です。
多くのカルチャーセンターでは、どの生徒にも同じものを描かせるそうです。先生は説明をするだけで、生徒の絵を手直しすることもほとんどしないみたい。
今の先生は、生徒が自分の作品を描けるようになるよう指導してくれます。一人一人の絵に直しを入れて、筆遣いや色の使い方など、どうやってやるのか見せてくれます。
カルチャーセンターでこういう先生に出会えた事はラッキーでした。
今はわからない事だらけで迷ってばかりですが、ちょっとずつでも前に進んでいきたいですね。
それではまた!
使っている道具
筆は先生お勧めのINTERLON(インターロン)の丸18号。取りあえずこれ1本で全部まかなっています。
基本の12色は取りあえず安い物を(笑) これに、先生に言われた色を個別に買い足しました。
買い足したのはホルベイン。品質、値段共に無難な感じ。