しばまさ雑記帖

お絵かき、iPad Pro、モーニング娘(ハロプロ)や柴犬とかでできているブログ

映画『黒執事 Book of the Atlantic』 感想と、気になる原作との違いは?

*この記事はネタバレを含みます。

 

優樹です。

 

先日、劇場版『黒執事 Book of the Atlantic』を見てきました!

www.kuroshitsuji-movie.com

 

昔と違って、今はあまりアニメを見ないのですが、黒執事は別です。なぜなら、原作が好きだから。

単行本で読んでいるのですが、原作では『Book of the Atlantic』は『豪華客船編』と呼ばれていますね。

 

『豪華客船編』を漫画で読んだときから、これをアニメ化するならTVじゃなく映画にしてほしいなぁ、と思っていたので、映画化を知ったときはうれしくて。

というわけで、久しぶりに映画館に行きました。

感想(ネタバレあります)


(c) .foto project

絵がきれい!

やっぱり絵がきれい!

TVアニメを見ても思うのですが、原作の緻密で繊細な絵をアニメにして動かすのは、並大抵のことではないと思います。制作する側の作品への並々ならぬ愛情や思いが感じられて、そのことに感動します。

ファンだけでなく、作り手からも愛されている作品であることがよくわかります。

カラーってやっぱり効果的

漫画の、黒の線だけで描く世界が大好きです。変な言い方ですが、ペンだけで描くからこそ生まれる繊細な感じが好きというか。あの繊細さはアニメでは描きにくいです。

 

でも、色を使うことで生まれる効果ってありますよね。

特に印象に残ったのが、シエル、リジー、スネークが貨物庫で死体に襲われて、セバスチャンが嬉々として虐殺しまくるシーン。舞い踊る黒に赤い目がなんとも美しくて。あと、グレルの赤とか。

こういうところは、説明不要で一瞬で理解できる「色」は強いですよね。

声優陣の安定感は異常

最初から同じ声優さんが演じていますよね。

セバスチャンの小野大輔さん、シエルの坂本真綾さん、葬儀屋の諏訪部順一さん、グレルの福山 潤さん・・・

もはや、サザエさんのような親近感 ^^;

 

ファンとしては同じ声優さんに毎回演じてもらいたいけれど、スケジュールや大人の事情でそうはいかないことも。当たり前のように見ているけれど、同じ声優さんがずっと演じてくれていることに感謝です。

 

そして、どうしても書きたい。

グレル・サトクリフ役の福山 潤さんが、すっごく楽しそうだったな~!!

と書いている途中で、タナカ役の藤村俊二さんの訃報を聞いて驚きました。

ショックだ・・・

いま思えば、『黒執事 Book of Murder』を見たとき、藤村さんの声に力がないような感じがして心配になったのですが、こんなことになるとは・・・

キャラクターと違って演じる役者さんは年をとるわけだし、また一人、味のある俳優さんがいなくなってしまいました。仕方がないことですが、なんともやり切れない気持ちです。

藤村さんのご冥福をお祈り申し上げます。

スピード感

当たり前ですが、アニメは動きます。特に『豪華客船編』は戦闘シーンや船の沈没シーンなど、迫力ある見せ場がいっぱいで、アニメの強みをこれでもかと見せてくれます。

 

 

(c) .foto project

『Book of the Atlantic』はリジーの戦闘シーンも楽しみの一つだったのですが、期待を裏切らないかっこよさでした。これまでの可愛い(だけの)女の子のイメージを脱ぎ捨て、リジーの葛藤や強さが初めてあらわになる重要な場面。静から動への転換がピッタリはまって、見ていて爽快でした。

まだ『Book of the Atlantic』を見ていない方は乞うご期待です。

原作との違いは?

原作ファンなら気になりますよね。アニメ化されて、どんな違いがあるのか。

 

黒執事は何度もアニメ化されていて、特に

  • TVアニメ第3期『黒執事 Book of Circus』(原作「サーカス編」)
  • OVA作品『黒執事 Book of Murder』(原作「幽鬼城殺人事件編」)

は、原作に忠実でシリーズを通して絵がきれいで、それはもう感動モノでした。

今回はさらに映画化ですから、そりゃもうイヤでも期待が高まるってものですよ! 奥さん!!

 

でも、やっぱり原作との違いはチョコチョコありまして。細かなところは忘れましたが、印象に残ったところを書いていきます。

「Wチャールズ」が乗船している

予備知識なく映画を見に行ったので、あれ、Wチャールズって乗っていたっけ?と(笑)

ウチに帰って単行本で確認。乗っていないよね、うん、いない。

Wチャールズファンにはうれしいですよね。でも、そもそも原作では乗っていない人たちなので、ほとんどストーリーには絡みません。残念。

見たかったシーンがカット

尺の関係で仕方がないところですが、原作で好きだったシーンがカットされていて悲しい・・・

その1

リジーから豪華客船での旅行を誘われたシエル。誘いは断ったものの、リジーとの会話を思い出しながら窓の外を見ていると、セバスチャンのにやけ顔がヌッと!(しかも横から)

見たかったな、このシーン(笑)

その2

晩餐会で、スネークの容姿がお貴族さまの間で笑いものにされていたとき。自分がいるとシエルの評判に関わると気にするスネークに向かって

「他人なんだから違って当然。なにを恥じる必要がある?」と言うシエルに、

「今はファントムハイヴの従僕なのだから、自信を持って、背筋を伸ばしなさい」と言うセバスチャン。

スネークとシエルの関係に少し変化が見られた印象的なシーンですが、カットされていた(泣)

その3

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セバスチャンを連れたシエルが、アン叔母さんを訪ねて病院に行くシーンがまるっとカット。

この場面は、物語全体に関わるエピソードが含まれていて、

  • タナカからセバスチャンに執事長の時計が手渡される
  • タナカの真似をして、セバスチャンがシエルのことを初めて「坊ちゃん」と呼ぶ
  • アン叔母さんがシエルに、唯一焼け残った指輪を渡す

という重大なシーンだけに、全カットは意外でした。

いま思うと、藤村さんの体調のこともあったのかなぁという気がします。

エンドロールの後にもうワンシーン

原作では、すべての死体を掃討した後、めずらしくセバスチャンを労ったシエルに対し、セバスチャンが軽口をたたいて終わります。

劇場版『黒執事 Book of the Atlantic』も、そこでエンドロールが流れるのですが、席を立たないでくださいね。エンドロールが終わった後に、もうワンシーンあります。

映画を見てあらためてわかった『枢やな』の力量

漫画ってアニメと違って動かない。戦闘シーンなどのスピード感を表現するには、漫画の方が不利なはず。

なのに、アニメに劣らない、いやアニメ以上のスピード、迫力を静止画で表現できる枢さんはすごい! とつくづく思いました。

 

枢さんは静と動の切り替えがとても上手い人だと思います。コマとコマの間をうまく使って、読者にそれと気づかせないまま、コマの間に流れた時間を想像して補わせるというか。

うまく説明できませんが、こうしたテクニックを使うことでスピード感が生まれるように思います。

 

印象に残っているのが『黒執事 Book of Murder』のワンシーン。

(知らない人には全然わかりません。すみません)

温室で、実はもう一人侵入者がいたことをシエルに明かしたセバスチャン。テーブルの下から木箱を出し、箱の蓋を開けると蛇が飛び出してシエルに襲い掛かる、というシーンがありました。

原作では、この

木箱出す→蓋開ける→蛇飛び出る→シエル驚く→セバスチャン蛇を掴む

という流れが実にリズムよく、蛇が飛び出るシーンでまんまと驚かされました(笑)

アニメでは蓋を開けるシーンですでに蛇が見えていて、原作を読んだことがない、初めて見る人でも驚きは少なかったのではないでしょうか。

 

原作の『黒執事』は海外のアンケートで人気No.1に選ばれたこともあったはず。人気が長く続く理由がわかる気がします。

まとめ

こういう記事は書いていてすごく楽しいのですが、そろそろまとめを。

・絵がきれい

・ずっと声優さんが変わらなくてうれしい

・スピード感がある

・Wチャールズがいる

・好きなシーンがカットされてて悲しい

・エンドロールが終わるまで席を立たないでね

・枢やなさんはやっぱりすごい!

以上です。

 

見に行こうか迷っている方がいたら、見に行ったほうがいいですよ ^^

 

それではまた!